第1章 基本的な概念 集積点について

「{an}の中に同じ数aが無数に繰り返して出てくる場合には、aはSの集積点であるとは限らない」

との記述が、すんなりと理解できなかった。集積点Aとは点Aにどれほど近いところにもSに属する点が無数にあること、と定義される。同じ数aが無数にあるのであれば、なぜこれが集積点と呼べないのか?

これは「点」と「集合の1要素」を混同したために生じた誤解だ。いくらaが繰り返しでてきても「点」としては同じ1つの点にすぎない。無数のaが示す点は、ただ1つである。そう考えると、aはそれが無数に繰り返されるといっても集積点とは限らない。