2018-01-01から1年間の記事一覧

第1章 基本的な概念 - 上極限と上限、あるいは下極限と下限

収束の条件、Cauchyの判定法(定理8)の附記に上極限、下極限が登場する。一読して、上極限と上限、下極限と下限の差が理解できなかったので、改めて整理する。 上限・・・数列{an}が有界のときに定まる値(定理2) 上極限・・・数列{an}の部分数…

第1章 基本的な概念 - 定理4

定理4.an→αなら|an|<Mとなる定数Mが存在し、|α|≦M。 この証明自体は、大きく引っかかるとことはなく、理解が難しいことはなかったが、このあとさんざん悩まされる「<」と「≦」が混在する最初の定理である。 この証明で少し考えたのは |α|>…

第1章 基本的な概念 - 収束の条件、Cauchyの判定法

定理8.数列{an}が収束するための必要かつ十分なる条件は、任意のε>0に対して番号n0が定められて、 p>n0、q>n0なるとき |ap-aq|<ε なることである。 この定理の証明を読んで、最初に引っかかったのは、 m1≦m2≦・・・mn≦・・…

第1章 基本的な概念 - Dedekindの切断

定理1.実数の切断は、下組と上組の境界として、一つの数を確定する[Dedekindの定理]。 この定理の導出のようなものが付録Iにある。これも一読してすぐに理解できなかったが、何回も読んで、自分なりに次のように整理して理解した。 上記の4~7を視覚的…

第1章 基本的な概念 - Weierstrassの定理

定理2.数の集合Sが上方[または下方]に有界ならばSの上限[または下限]が存在する[Weierstrassの定理]。 これは納得して理解するために、何回も読みなおした。 以下、自分なりに理解したことを、くだけた表現で再現する。s、A、Bは「解析概論」の…