第1章 基本的な概念 「集積点の集積点」?

「集積点の集積点はやっぱり集積点である」との記述がある。 読んですんなりと頭に入らず、以下のように考えた。 集合Sの集積点Aがある。 この点Aが無数に存在するとする。 すると点Aで構成される集合S'を考えることができる。 集合S'に集積点A'があるとする…

第1章 基本的な概念 集積点について

「{an}の中に同じ数aが無数に繰り返して出てくる場合には、aはSの集積点であるとは限らない」 との記述が、すんなりと理解できなかった。集積点Aとは点Aにどれほど近いところにもSに属する点が無数にあること、と定義される。同じ数aが無数にあるのであれば…

第1章の議論の流れ

・実数の切断を定義し、その連続性を説明(附録Ⅰの1~3、セクション2) ・有理数の切断(A,A')を定義 ・切断の「境界」として実数を定義 (有理数切断(A,A')で有理数の「境界」が存在しない場合、有理数に替わる何かがあると想定して、それを「無理数…

第1章 基本的な概念 - 上極限と上限、あるいは下極限と下限

収束の条件、Cauchyの判定法(定理8)の附記に上極限、下極限が登場する。一読して、上極限と上限、下極限と下限の差が理解できなかったので、改めて整理する。 上限・・・数列{an}が有界のときに定まる値(定理2) 上極限・・・数列{an}の部分数…

第1章 基本的な概念 - 定理4

定理4.an→αなら|an|<Mとなる定数Mが存在し、|α|≦M。 この証明自体は、大きく引っかかるとことはなく、理解が難しいことはなかったが、このあとさんざん悩まされる「<」と「≦」が混在する最初の定理である。 この証明で少し考えたのは |α|>…

第1章 基本的な概念 - 収束の条件、Cauchyの判定法

定理8.数列{an}が収束するための必要かつ十分なる条件は、任意のε>0に対して番号n0が定められて、 p>n0、q>n0なるとき |ap-aq|<ε なることである。 この定理の証明を読んで、最初に引っかかったのは、 m1≦m2≦・・・mn≦・・…

第1章 基本的な概念 - Dedekindの切断

定理1.実数の切断は、下組と上組の境界として、一つの数を確定する[Dedekindの定理]。 この定理の導出のようなものが付録Iにある。これも一読してすぐに理解できなかったが、何回も読んで、自分なりに次のように整理して理解した。 上記の4~7を視覚的…

第1章 基本的な概念 - Weierstrassの定理

定理2.数の集合Sが上方[または下方]に有界ならばSの上限[または下限]が存在する[Weierstrassの定理]。 これは納得して理解するために、何回も読みなおした。 以下、自分なりに理解したことを、くだけた表現で再現する。s、A、Bは「解析概論」の…