第1章 基本的な概念 - Dedekindの切断

定理1.実数の切断は、下組と上組の境界として、一つの数を確定する[Dedekindの定理]。

 

この定理の導出のようなものが付録Iにある。これも一読してすぐに理解できなかったが、何回も読んで、自分なりに次のように整理して理解した。

 

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上記の4~7を視覚的に描いてみた。

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「境界」が定義なしに使われていることが気持ち悪い。とりあえず、aが境界ならば、x<aは下組に属し、x>aならば上組に属するもの、と定義し、aが上と下のどちらに属するかは曖昧なままにしておく。

また、2で有理数切断(A,A’)の「境界」として実数を定義しているが、そこには実数と有理数の大小関係が定義できることが暗示されている。実数の大小関係を3で厳密に定義しているのに、それ以前に実数と有理数の大小関係を利用していることも、気持ちの悪さが残る部分である。

 

(追記)

実数の大小関係について、「mがαの下組に属するならば、上記の定義に従ってm<α」(実数の大小関係の定義についての注意2より)とあるが「上記の定義に従って」とは何か?

αが有理数であれば自明であるが、無理数の場合、定義に立ち返ってみて考えてみた。

αが無理数であれば、mが作る切断を考え、その下組(Mと呼ぶことにする)がM⊂Aとなっていれば、定義によりm<αといえる。mはAに属し、しかもAに最大値がないことから、これは成立していると考えられる。